玉造小劇店はお芝居を提供するお店です。
明治初期。
元武士家系であった鈴木家に万太郎と千次郎という兄弟があった。
兄が育子という妻をもらうのだが、料理がとにかく不味い。
初めてのお正月にお節料理を出してくるのだが、
好物の高野豆腐も喉を通らない程に不味かった。
しかし万太郎は「美味い…」と、つい言ってしまう。
ここから鈴木家の料理は下降の一途を辿るのである。
大正になると、万太郎と次女の家族の時代になる。
大正12年には関東大震災が発生。
それを逃れ、長男・慎太郎の元に嫁いできたのが関東人のハルで あった。
この時、ハルが手土産に持って来たお節料理。
老いた万太郎は関東の濃い味付けの高野豆腐に痛く感動し、
「この味が今日からうちの味や。やっと自分が蒔いた種を刈り取れる日が来た。」と喜び、
一筆書いた後、息を引き取る。
昭和。
次男の裕次郎が中国に渡ったり、慎太郎とハルの三人の息子、
慎一、慎介、 慎吾も次々と戦争に取られ、
鈴木家も大きな時代のうねりに巻き込まれていく。
敗戦後。
長男の慎一が満州から戻り、やがてまた家族が増えていく。
高度経済成長があり、娘たちが派手になり、グループサウンズがあり、学生運動もあり、
南方戦線で 戦争終結を知らず、
未だ独りで戦っている軍人が見つかったのだが、 それが戦死したと思っていた弟だったり…。
時代と共に人も、姿も、食べるものも変わっていく。
平成。
阪神淡路大震災が発生する。
関東大震災を逃れて関西にやってきたハルだったが、70年以上経って再び震災を経験する。
それを機会にハルは親戚家族たちの前で、 百年以上続いた家を手放す決意を報告するのだった。
現在。
空き家になっていた鈴木家だったが、東日本大震災が発生し、家を提供することになる。
聞いたことのない東北弁を喋る一家がやってくるのだが、
その中 に育子という名前の女の子が居た。
明治時代、最初にこの家に嫁いできた嫁と同じ名前である。
この家に新しい時代が始まろうとしているのだった。
【公演日程】
【大阪公演】ABCホール 2019年1月10日(木)~14日(月・祝)
【東京公演】座・高円寺1 2019年1月17日(木)~1月20日(日)
【相模原公演】
相模原演劇鑑賞会 相模原南市民ホール 2019年1月21日(月)~1月22日(火)
【札幌公演】
特定非営利活動法人演劇鑑賞会北座 かでるホール
2019年2月1日(金)~2月2日(土)
【キャスト】
コング桑田(リリパットアーミーⅡ)
野田晋市(リリパットアーミーⅡ)
うえだひろし(リリパットアーミーⅡ)
長橋遼也(リリパットアーミーⅡ)
松井千尋(リリパットアーミーⅡ)
有馬自由(扉座)
桂 憲一(花組芝居)
浅野彰一(あさの@しょーいち堂)
江戸川じゅん兵(江戸川萬時改メ)
茂山宗彦
茂山逸平
山像かおり(西瓜糖)
水町レイコ
美津乃あわ
小椋あずき
内山絢貴(劇団五期会)
是常祐美(シバイシマイ)
増井友紀子
わかぎゑふ(リリパットアーミーⅡ)
【スタッフ】
脚本・演出=わかぎゑふ
舞台監督=武吉浩二(canpana)
舞台美術=浦野正之
照明=千原悦子
音響効果=宮﨑孝幸(エッグシェルスタジオ)
大道具=アーティスティックポイント
衣裳=妹妹
小道具=上田商会
宣伝美術=東學(188)
パンフレット撮影=山田徳春(500G Inc.)
託児協力=子育て仲間ほっぺ
制作=中村祐子(玉造小劇店)
制作協力=岡本康子(Trash2)・島尾朋子・TBSサービス
東京公演共催=TBSラジオ
後援=杉並区
提携=NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
主催・企画制作=玉造小劇店