玉造小劇店はお芝居を提供するお店です。
っという具合でした!舞台のバラシも2時間という異常なスピードで終わりました!
バラシとは片付けのことです!
僕たちはその日のうちに新幹線で大阪へ帰ります!
いつも僕たちの舞台写真を撮って下さっている藤本彦さんがホームで一枚!
撮影:藤本 彦
彦さん、いつもありがとうございます!
「大阪へ帰りまっせ~!」な一枚です!
座長!キマってますぜ!影のみの出演、料亭「前田」の先代女将
前田万亀子でございます!
姉妹での秘密会議・・・。前田に出入りする女性は、皆美悪魔なのです!
色んな意味でね♪
光子でございます~!本物のお見合写真の様です!
愛に初々しい二人・・・。見ているだけで、こっちが照れます。二人の未来はいかに?
この人がいないと「お見合」は始まりません!この頃には完全なおばちゃんと化していました!
今どきの若者に手を焼いたのは、やっぱり啓太郎と浅田。これは別れの日の写真かな?
撮影:藤本 彦
撮影:藤本 彦
毎度、ご贔屓にありがとうございます!
「前田」改め「和平」へ、またのご来店、
前田家そして、中井家?一同お待ち申し上げております!
本当にいい写真ばかりですね~!
いかがでしたか?「お見合」~セカンドラブノ花ガ咲ク
お見合をしてみたくなった人も、恋愛がしたくなった人も、
皆に花が咲くよう、玉造小劇店一同お祈り申し上げます!
本当にたくさんのご来場、誠にありがとうございました!
と、題名を変えまして・・・
今回は中井のおばちゃんが中井のおばちゃんたる所以を紹介しましょう!
想像の出来ない方は、
「大阪のおばちゃん」をまず、ご想像いただければ良いでしょう。
【’97、’03の中井のおばちゃん】
ここでは、前回「~ココロノ春ガ来ル」の冒頭部分を紹介しましょう。
この部分だけ永遠に繰り返されるのです・・・。
初夏。
『前田』の蕾の間では今日も一組のカップルがお見合をしている。
サラリーマン風の青年・三好と、20代半ばと見られる女性・吉田が恥ずかしそうに机をはさんで座っている。
庭には紫陽花が揺れ、爽やかな初夏の風が吹いている。
2人「あの・・・」
吉田「どうぞ・・・」
三好「いいえ、吉田さんからどうぞ・・・」
吉田「はい。(黙ってしまう)」
2人「あの・・・(またバッティング)すいません。」
そこにけたたましく中年女性が登場する。小物使いが派手な感じ。
中井「いやー、ごめんねぇ。2人とも早いわぁ、どないなってんの?」
三好「あ、どうも。今日は。」
吉田「おばちゃん、ごめん、早う着きすぎてん。」
中井「早いもなにも、あんたらまだ2時間前やで。」
三好「そうなんです。すいません、あんまり早くついたもんで、ここの喫茶店かどこかで時間つぶそうと思って入ったら吉田さんにバッタリ会ったんで。」
中井「いや、ほんなら偶然見つけたん?」
吉田「そうやねん、私も気になるからつい早く着きすぎて・・・」
中井「よう写真だけで分かったねぇ。」
2人「写真の通りなんで・・・(またバッティングしてはにかむ)」
中井「そうやろう、おばちゃんの回す写真は丁寧やろう?これうちだけの気配りやで。」
2人「はぁ・・・」
中井「それにしても最初からよう気ぃが合ぅてるやんか!良かったな良子ちゃん。」
吉田「いややわ、おばちゃん。」
中井「何を恥ずかしがってるのん、三好さん、私なぁこの子、こんな小さい頃から知ってますんよ。ほんまに赤ちゃんの時から。今回のこのお見合写真見せた時もあなたの事、ものすごい気に入って『会いたいわぁ』言うてねぇ。」
吉田「もう、おばちゃん、そんなこと言わんでも・・・」
中井「恥ずかしがらんでもええやんか、ほんまのことやから。ほんまにええ子ですねんで、もう私が保証済みやわ。」
ー中略ー
店員が一礼して出て行く。中井はまた機関銃のように喋りだす。
中井「ほんで、良子ちゃん。三好さんと何話したん?ええやろう、この人。三菱に勤めてはるねんで。あ、それは履歴書で知ってるか。」
三好「いや、三菱いうても三菱鉛筆ですよ。」
中井「何を言うてるの、大事な仕事やで。鉛筆がなかったら世界中の学生さんが勉強出来へんやんか、なぁ良子ちゃん。」
吉田「え、ああ、そうですね。」
中井「ほんで、良子ちゃんの仕事がこれ、コカコーラの社員や。言うことないやんか、もうぴったりやなぁ。」
三好「な、何がぴったりなんですか?」
中井「なんでぇな。なに聞いてるの?」
三好「いや、なにって・・・」
中井「そこまで説明せな分かれへん?」
三好「はぁ・・・」
中井「もうしゃーないなぁ、なんでもおばちゃん頼りかいな。まぁ例えばやで、明日地球が滅びたとするわなぁ。」
三好「は?」
どんな例え話やねん!と、ツッコミを入れたくなりますが、ここまでの中井のおばちゃんのセリフの量には、大阪のおばちゃんでさえびびります!しかし、大阪のおばちゃんは普通にこれくらいは喋ります。そして、中井のおばちゃんは、この縁談をまとめにかかり、2人も無理矢理納得させられてしまいます。
ー中略ー
三好「はぁ、まぁそういうことになりますね。」
中井「ほらな、双方にこれだけの共通点があるねんで、これも何かの縁やで、もうピッタリやなぁ。」
三好「ピッタリですか?」
中井「ちゃう?」
三好「はぁ。」
中井「いややわぁ、恥ずかしがらんでもええのんよ。」
吉田「でもおばちゃん、、私らは別に会社で鉛筆やコーラを直接作ってるわけやないねんよ。ねぇ?」
三好「ええ。」
中井「いや、なに?今2人でおばちゃんを悪もんにせぇへんかった?いやー、こんなに気の合う人らも珍しいわ。「ねぇ」「ええ」やて、きゃー、最近の若い人はお盛んやなぁ。」
2人「はぁ?」
中井「いや、また。ほら、よう気の合うことやなぁ。いやー、もうおばちゃん顔から火でるわぁ。」
三好「いや、そんなことは・・・」
中井「ええねん、ええねん。おばちゃんに任しとき。」
何がええのかさっぱりわかりませんが、本当は中井のおばちゃんのセリフはまだまだ続きます。
が・・・・・・・あとは劇場でのお楽しみです!
きっと中井のおばちゃんはこのストーリーに近い話をするはずです!
乞うご期待!
普段でも僕たち劇団員は若い・・・と思っているのに・・・。
もっと若い・・・。キャーーーーー!
いつから若いんだぁぁぁぁぁぁ!
「お見合」の名物キャラとして君臨する、中井のおばちゃん。
再演を重ね、設定や登場人物が変わっても、中井のおばちゃんだけは変わらない。その中井のおばちゃんはどうしてできたのだろうか?そのエピソードを紹介しましょう・・・。
お見合の初演は1997年5月~6月。
ラックシステムは、その当時「エチュード稽古」というのを採用していました。
エチュードとは、役者に設定やお題を与え自由に演じさせる即興稽古。
当時、ラックシステムはそのエチュードから生まれる役者のおもしろい発言や、キャラクターなどを台本に採用していくという手法を取っていたのです。
【お花見】【お正月】【お祝い】なども、その方式をとった作品。
「お見合」の定番として、初演当時から行われてきたのが、出演者が演出に指定された相手とデートをするという稽古です。
指定された日時に、誰かと食事をし、結婚について話をしてくるというエチュード。
まさしく、仮のお見合!もちろん後日、その報告会が行われるのです。
初演の稽古で、元劇団員の中井重文さんが周旋人のおばちゃんを演じました。
その時のキャラクターが面白かったので、台本に登場し「中井のおばちゃん」が誕生!
再演時、「中井のおばちゃん」の下の名前が決定しました!
その名も「中井しずか」。
実は、その当時玉造小劇店で制作事務をしていた中井重文さんの奥さんの名前。(写真をご覧の通り超美人!)
しずかさんは子供の頃から「しずかちゃん名前はしずかやのに全然静かちゃうねぇ。」と言われて育ったほど、お喋り。
中井のおばちゃんのイメージにぴったりだったのです。
以下、前回の舞台に登場した「中井しずか」が名前を語るシーン。
中井:分かってる、分かってるって。おばちゃんを誰やと思うてるのん?口が堅いことでは西日本一の中井しずかやで。
祐希:おばちゃん・・・しずかって言う名前なん?
中井:そうや、名は体をあらわしてるやろう?
祐希:ほんまやねぇ。
・・・・・・中略・・・・・・
祐希:おばちゃん、さっきのこと、ほんまに内緒にしといてね。
中井:任しときって。
祐希:中井しずかやもんな・・・。
本物のしずかさん・・・ごめんなさい。
まったく、こんな具合で座長は自分の周りの人間の話をギャグ化してしまいます!
余談ですが・・・「お見合~ココロノ春ガ来ル」には最後「中井のおばちゃん」の息子が出てきます。その息子の名は、基介(もとすけ)。実際の中井重文・しずか夫妻のご長男も「もとすけ」君なのです。
いい加減にしろ~!作家だったら、誰を利用してもいいのか~!
つまりは、中井重文さんがエチュードで作ったキャラクターを朝深大介が舞台で「伝説の怪物おばちゃん」に仕立て上げた!という、実例です。ちなみに初演時に登場した「潜水艦のソナー技師」は朝深がエチュードで作り、当時役者だった中井重文さんが舞台で演じたのです!
二人は役を交換していたんですね~。
中井のおばちゃん。(写真右)
見た目はおっさんですが、だんだんおばちゃんに見えてくるんですから演劇って不思議です。
さて、今回は誰がどの役を演じるのでしょうか?それは、作家のみぞ知ることです!
いや、演出家のみぞ知ることですか?でもきっと、あの役は変わりません。
サービスショット
実は座長夫妻は、中井夫妻の仲人だったんですね~。
朝深さん、ガラ悪い(笑)
しずかさん、お綺麗です!
「お見合」という作品 「お見合」はラックシステムにはめずらしく現代劇を扱った作品。
しかもこの作品のみシリーズ化されているという変則の形態を持つ人情喜劇です。 「お祝い」「お正月」「おたのしみ」などの戦争をはさんだ劇的な展開などもなく、 平和な大阪の芝居。にも関わらず、「お見合」ファンが多いのは、 大阪人の大阪人好きによる所以かもしれません。 一種のホームコメディのような作品ですが、登場人物はいずれも個性的で、 現代劇ならではの展開も他のラックの作品群とは違う濃さがあります。 舞 台 背 景大阪中央区にある料亭「前田」
大正11年に出来た南地の老舗の一つ。 未だに200坪の広大な土地の半分以上が庭で、本館が60坪の2階建て。 他に小さな離れが二派の真ん中にあり、この離れこそが舞台の中心となる場。 「前田」の自慢「蕾(つぼみ)の間」。 初代女将がお見合い専用の空間として作った離れです。 ![]() 我らが野田兄と、とっちゃん姉ちゃんのええシーンです! しかし、二人ともようお似合いです。 前回のストーリー料亭「前田」は3代目女将・前田万亀子が3年前に亡くなってからは、主人である前田啓太郎が4代目を勤めていた。
初夏。話はその前田啓太郎の長男、前田真吾が飛行機事故で他界するところから始まる。 啓太郎には真吾の他に二人の娘がおり、長女の花奈は、のんびり屋でお嬢様育ち。その上霊媒体質。 次女の祐希は姉とは好対照で東京の築地「むら雅」に嫁ぎ、女将として活躍。テレビ出演、著書も数冊ある。先代の母親の血をもっとも濃くひいているといわれる。 そして、真吾亡き後も、嫁ぎ先である「前田」に残った妻の美樹子。若いのによく気が利き、でしゃばらない性格は周りの好感度も高い。 真吾が死んだことで、跡取り問題が啓太郎の脳裏を支配する。一番女将に向いている次女の祐希が
すでに嫁いでいるので、次代の候補は長女の花奈か、長男の後家である美樹子の2人ということに。 父親としては自分の娘である花奈に継がせたいのは山々なのだが…。 代々女将で栄えてきた料亭「前田」ではあるが女将としての勉強を何もしていない花奈には不安がたっぷり。それに比べると美樹子は気も利くし、女将に向いている。 毎日のように前田にやってくるお見合周旋人の中井しずかに相談すると「美樹ちゃんやったら絶対向いてる」と太鼓判を押すが、花奈の可能性を聞くと「あほちゃう」と言われる始末。
しかし、美樹子に跡を継がせると、前田家の血は一滴も残らない。さすがの啓太郎もそこは納得がいかない。 かくして、前田家では長女・花奈の改造計画が始動される。
啓太郎の無線による遠隔操作でしばらくはお座敷を仕切るようにしようというのだが・・・ 生来の霊媒体質がいいところで邪魔になりお客に「たぬきがついてる」などと言い、うまくはいかない。 花奈も板ばさみになる父親に顔向けが出来ず、ついには家出をしてしまう。 結局、真吾の四十九日での家族会議が行われるのだが…。
娘たち3人にもそれぞれの考えがあり、啓太郎の杞憂は思わぬ方向に好展開することで解決するのだった。そうなると、啓太郎のあとの心配は花奈の婿取りになる。 料亭の女将になっても仕事を理解してくれる男。しかも背の高い花奈に釣り合う身長175cm以上で女の怖さを十分理解でき、その上、本人は大人しい。 という条件を考えてみるが、そんな絵にかいたような男がいるわけもなかった…。
そんなある日。平和を取り戻した「前田」に尋ね人があった。 背が高く好青年で、物静かな彼…なんとあのお見合周旋人、口から先にうまれてきたような マシンガントークで売っている中井しずかの息子であった。 「条件はぴったりですよ」と物陰から覗いて言う従業員に、「そやけど、中井さんの息子やろう・・・」とため息をつく啓太郎。 ![]() 前回、中井のおばちゃんの息子・基介(朝深大介)と出会った花奈(生田朗子)。 二人はまるで、お見合をしているカップルのように、向き合って座り、良い雰囲気で話が弾むのであった・・・。 そして、今回の「お見合」は、この続き! どうなる!?前田家! 今回のお見合は・・・?この秋リニューアルしたばかりの、「前田」はその名も「和平」と改名。
当主の啓太郎の一存だったが、娘たちは大反対。しかもお見合い専用の離れ、 「蕾の間」も「縁の間」と名前を変え、なにやら今までにないワンマンな経営者ぶり。 その上、長女の花奈の嫁ぎ先、中井家の姑である中井しずかが「縁の間」を買い取りたいと言い出す。 長男の真吾が死んで3回忌も済み、2人の娘が嫁いでしまったので、啓太郎は事実上の跡継ぎに困っていることも確か。
なにやら今までにない積極的な行動を始めているのだが、真意のほどは誰にもわからない。 店の方は改名しようとどうしようと、昨今の再婚お見合いブームで店は大繁盛。 人生設計をやりなおしたい人たちが出会いを求めて、今日もやってくる。 お見合周旋人のプロとして、ほぼ毎日やってくる中井しずか女史。
彼女にとっても、「和平」はいまや自分の息子の嫁の実家である。 やがて、啓太郎と中井しずかの経営権争いが火花を散らすようになるのだが… 今まで経営に細かいことを言わなかった啓太郎が俄然、張り切りだしたのにはわけがあるようだった。 嫁いだ娘たちは結託して、父の行動の真意を図ろうとするのだが…。 意外な人物の登場で、啓太郎の心の内が始めて明かされることになっていく。! 再び起きる前田家の跡とり問題!!!!
一歩街に出れば若者の遊ぶ街でもあるミナミの一角で、今どきの大阪人たちの本音が炸裂! どうなる「和平」! どうなる「お見合」の結末! …続きは脚本完成時に! 登場人物相関図前回「ココロノ春ガクル」から今回「セカンドラブノ花ガ咲ク」まで |
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