玉造小劇店はお芝居を提供するお店です。
「お見合」という作品 「お見合」はラックシステムにはめずらしく現代劇を扱った作品。
しかもこの作品のみシリーズ化されているという変則の形態を持つ人情喜劇です。 「お祝い」「お正月」「おたのしみ」などの戦争をはさんだ劇的な展開などもなく、 平和な大阪の芝居。にも関わらず、「お見合」ファンが多いのは、 大阪人の大阪人好きによる所以かもしれません。 一種のホームコメディのような作品ですが、登場人物はいずれも個性的で、 現代劇ならではの展開も他のラックの作品群とは違う濃さがあります。 舞 台 背 景大阪中央区にある料亭「前田」
大正11年に出来た南地の老舗の一つ。 未だに200坪の広大な土地の半分以上が庭で、本館が60坪の2階建て。 他に小さな離れが二派の真ん中にあり、この離れこそが舞台の中心となる場。 「前田」の自慢「蕾(つぼみ)の間」。 初代女将がお見合い専用の空間として作った離れです。 「蕾の間」で話すのは、料亭「前田」の四代目当主・前田啓太郎(野田晋市)と60年前にここでお見合いをしたという西山邦子(千田訓子)。
我らが野田兄と、とっちゃん姉ちゃんのええシーンです! しかし、二人ともようお似合いです。 前回のストーリー料亭「前田」は3代目女将・前田万亀子が3年前に亡くなってからは、主人である前田啓太郎が4代目を勤めていた。
初夏。話はその前田啓太郎の長男、前田真吾が飛行機事故で他界するところから始まる。 啓太郎には真吾の他に二人の娘がおり、長女の花奈は、のんびり屋でお嬢様育ち。その上霊媒体質。 次女の祐希は姉とは好対照で東京の築地「むら雅」に嫁ぎ、女将として活躍。テレビ出演、著書も数冊ある。先代の母親の血をもっとも濃くひいているといわれる。 そして、真吾亡き後も、嫁ぎ先である「前田」に残った妻の美樹子。若いのによく気が利き、でしゃばらない性格は周りの好感度も高い。 真吾が死んだことで、跡取り問題が啓太郎の脳裏を支配する。一番女将に向いている次女の祐希が
すでに嫁いでいるので、次代の候補は長女の花奈か、長男の後家である美樹子の2人ということに。 父親としては自分の娘である花奈に継がせたいのは山々なのだが…。 代々女将で栄えてきた料亭「前田」ではあるが女将としての勉強を何もしていない花奈には不安がたっぷり。それに比べると美樹子は気も利くし、女将に向いている。 毎日のように前田にやってくるお見合周旋人の中井しずかに相談すると「美樹ちゃんやったら絶対向いてる」と太鼓判を押すが、花奈の可能性を聞くと「あほちゃう」と言われる始末。
しかし、美樹子に跡を継がせると、前田家の血は一滴も残らない。さすがの啓太郎もそこは納得がいかない。 かくして、前田家では長女・花奈の改造計画が始動される。
啓太郎の無線による遠隔操作でしばらくはお座敷を仕切るようにしようというのだが・・・ 生来の霊媒体質がいいところで邪魔になりお客に「たぬきがついてる」などと言い、うまくはいかない。 花奈も板ばさみになる父親に顔向けが出来ず、ついには家出をしてしまう。 結局、真吾の四十九日での家族会議が行われるのだが…。
娘たち3人にもそれぞれの考えがあり、啓太郎の杞憂は思わぬ方向に好展開することで解決するのだった。そうなると、啓太郎のあとの心配は花奈の婿取りになる。 料亭の女将になっても仕事を理解してくれる男。しかも背の高い花奈に釣り合う身長175cm以上で女の怖さを十分理解でき、その上、本人は大人しい。 という条件を考えてみるが、そんな絵にかいたような男がいるわけもなかった…。
そんなある日。平和を取り戻した「前田」に尋ね人があった。 背が高く好青年で、物静かな彼…なんとあのお見合周旋人、口から先にうまれてきたような マシンガントークで売っている中井しずかの息子であった。 「条件はぴったりですよ」と物陰から覗いて言う従業員に、「そやけど、中井さんの息子やろう・・・」とため息をつく啓太郎。
料亭「前田」は、今日もまた人間模様で彩られようとしているのだった。
前回、中井のおばちゃんの息子・基介(朝深大介)と出会った花奈(生田朗子)。 二人はまるで、お見合をしているカップルのように、向き合って座り、良い雰囲気で話が弾むのであった・・・。 そして、今回の「お見合」は、この続き! どうなる!?前田家! 今回のお見合は・・・?この秋リニューアルしたばかりの、「前田」はその名も「和平」と改名。
当主の啓太郎の一存だったが、娘たちは大反対。しかもお見合い専用の離れ、 「蕾の間」も「縁の間」と名前を変え、なにやら今までにないワンマンな経営者ぶり。 その上、長女の花奈の嫁ぎ先、中井家の姑である中井しずかが「縁の間」を買い取りたいと言い出す。 長男の真吾が死んで3回忌も済み、2人の娘が嫁いでしまったので、啓太郎は事実上の跡継ぎに困っていることも確か。
なにやら今までにない積極的な行動を始めているのだが、真意のほどは誰にもわからない。 店の方は改名しようとどうしようと、昨今の再婚お見合いブームで店は大繁盛。 人生設計をやりなおしたい人たちが出会いを求めて、今日もやってくる。 お見合周旋人のプロとして、ほぼ毎日やってくる中井しずか女史。
彼女にとっても、「和平」はいまや自分の息子の嫁の実家である。 やがて、啓太郎と中井しずかの経営権争いが火花を散らすようになるのだが… 今まで経営に細かいことを言わなかった啓太郎が俄然、張り切りだしたのにはわけがあるようだった。 嫁いだ娘たちは結託して、父の行動の真意を図ろうとするのだが…。 意外な人物の登場で、啓太郎の心の内が始めて明かされることになっていく。! 再び起きる前田家の跡とり問題!!!!
一歩街に出れば若者の遊ぶ街でもあるミナミの一角で、今どきの大阪人たちの本音が炸裂! どうなる「和平」! どうなる「お見合」の結末! …続きは脚本完成時に! 登場人物相関図前回「ココロノ春ガクル」から今回「セカンドラブノ花ガ咲ク」まで |
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