玉造小劇店はお芝居を提供するお店です。
と、題名を変えまして・・・
今回は中井のおばちゃんが中井のおばちゃんたる所以を紹介しましょう!
想像の出来ない方は、
「大阪のおばちゃん」をまず、ご想像いただければ良いでしょう。
【’97、’03の中井のおばちゃん】
ここでは、前回「~ココロノ春ガ来ル」の冒頭部分を紹介しましょう。
この部分だけ永遠に繰り返されるのです・・・。
初夏。
『前田』の蕾の間では今日も一組のカップルがお見合をしている。
サラリーマン風の青年・三好と、20代半ばと見られる女性・吉田が恥ずかしそうに机をはさんで座っている。
庭には紫陽花が揺れ、爽やかな初夏の風が吹いている。
2人「あの・・・」
吉田「どうぞ・・・」
三好「いいえ、吉田さんからどうぞ・・・」
吉田「はい。(黙ってしまう)」
2人「あの・・・(またバッティング)すいません。」
そこにけたたましく中年女性が登場する。小物使いが派手な感じ。
中井「いやー、ごめんねぇ。2人とも早いわぁ、どないなってんの?」
三好「あ、どうも。今日は。」
吉田「おばちゃん、ごめん、早う着きすぎてん。」
中井「早いもなにも、あんたらまだ2時間前やで。」
三好「そうなんです。すいません、あんまり早くついたもんで、ここの喫茶店かどこかで時間つぶそうと思って入ったら吉田さんにバッタリ会ったんで。」
中井「いや、ほんなら偶然見つけたん?」
吉田「そうやねん、私も気になるからつい早く着きすぎて・・・」
中井「よう写真だけで分かったねぇ。」
2人「写真の通りなんで・・・(またバッティングしてはにかむ)」
中井「そうやろう、おばちゃんの回す写真は丁寧やろう?これうちだけの気配りやで。」
2人「はぁ・・・」
中井「それにしても最初からよう気ぃが合ぅてるやんか!良かったな良子ちゃん。」
吉田「いややわ、おばちゃん。」
中井「何を恥ずかしがってるのん、三好さん、私なぁこの子、こんな小さい頃から知ってますんよ。ほんまに赤ちゃんの時から。今回のこのお見合写真見せた時もあなたの事、ものすごい気に入って『会いたいわぁ』言うてねぇ。」
吉田「もう、おばちゃん、そんなこと言わんでも・・・」
中井「恥ずかしがらんでもええやんか、ほんまのことやから。ほんまにええ子ですねんで、もう私が保証済みやわ。」
ー中略ー
店員が一礼して出て行く。中井はまた機関銃のように喋りだす。
中井「ほんで、良子ちゃん。三好さんと何話したん?ええやろう、この人。三菱に勤めてはるねんで。あ、それは履歴書で知ってるか。」
三好「いや、三菱いうても三菱鉛筆ですよ。」
中井「何を言うてるの、大事な仕事やで。鉛筆がなかったら世界中の学生さんが勉強出来へんやんか、なぁ良子ちゃん。」
吉田「え、ああ、そうですね。」
中井「ほんで、良子ちゃんの仕事がこれ、コカコーラの社員や。言うことないやんか、もうぴったりやなぁ。」
三好「な、何がぴったりなんですか?」
中井「なんでぇな。なに聞いてるの?」
三好「いや、なにって・・・」
中井「そこまで説明せな分かれへん?」
三好「はぁ・・・」
中井「もうしゃーないなぁ、なんでもおばちゃん頼りかいな。まぁ例えばやで、明日地球が滅びたとするわなぁ。」
三好「は?」
どんな例え話やねん!と、ツッコミを入れたくなりますが、ここまでの中井のおばちゃんのセリフの量には、大阪のおばちゃんでさえびびります!しかし、大阪のおばちゃんは普通にこれくらいは喋ります。そして、中井のおばちゃんは、この縁談をまとめにかかり、2人も無理矢理納得させられてしまいます。
ー中略ー
三好「はぁ、まぁそういうことになりますね。」
中井「ほらな、双方にこれだけの共通点があるねんで、これも何かの縁やで、もうピッタリやなぁ。」
三好「ピッタリですか?」
中井「ちゃう?」
三好「はぁ。」
中井「いややわぁ、恥ずかしがらんでもええのんよ。」
吉田「でもおばちゃん、、私らは別に会社で鉛筆やコーラを直接作ってるわけやないねんよ。ねぇ?」
三好「ええ。」
中井「いや、なに?今2人でおばちゃんを悪もんにせぇへんかった?いやー、こんなに気の合う人らも珍しいわ。「ねぇ」「ええ」やて、きゃー、最近の若い人はお盛んやなぁ。」
2人「はぁ?」
中井「いや、また。ほら、よう気の合うことやなぁ。いやー、もうおばちゃん顔から火でるわぁ。」
三好「いや、そんなことは・・・」
中井「ええねん、ええねん。おばちゃんに任しとき。」
何がええのかさっぱりわかりませんが、本当は中井のおばちゃんのセリフはまだまだ続きます。
が・・・・・・・あとは劇場でのお楽しみです!
きっと中井のおばちゃんはこのストーリーに近い話をするはずです!
乞うご期待!
普段でも僕たち劇団員は若い・・・と思っているのに・・・。
もっと若い・・・。キャーーーーー!
いつから若いんだぁぁぁぁぁぁ!