玉造小劇店はお芝居を提供するお店です。
時は12世紀後半、平安時代…天皇・貴族・武士の権力が渾然とした頃のこと…。京の都は臭かった。貴族たちの焚き染めた香料の香りが臭かった。働く人々の汗が臭かった。武士の刀の血のしたたりが臭かった。子供が裸足でかけまわる足が臭かった。何もかもが臭かった…時代。
そんな都に天才的に鼻の利く少年陰陽師、キリタがやってくる。
「香りを書く」というテーマで、今までの演劇にはなかった、決して着手することが出来ない嗅覚を題材に描かれた芝居です。キリタという天才的に鼻の効く少年陰陽師キリタを中心に源平の人々の様々な人間模様を描く作品です。最終章は、壇ノ浦の戦いで平家が滅んだ後、ついに源氏の時代が到来し、その鎌倉幕府三代将軍実朝の終焉にまつわる物語。香る時代。運命に、政に、恋にあやつられた傀儡女はいったい誰か…。
キリタと共に魔臭を嗅ぎとれ!