玉造小劇店はお芝居を提供するお店です。
大正12年。
関東大震災の後、大混乱となった一連の社会現象の中でもひと際目立ったのが「甘粕事件」である。
憲兵大尉甘粕正彦の独断によって、社会運動家 ・大杉栄と愛人の伊藤野枝、大杉の6歳の甥が殺害されたのである。
後には4人の幼子が残された。
魔子、エマ、ルイズ、ネストルという外国人の名前を命名された子供たち。
彼女たちはその後どう生きたのか?
物語はその中でも末の娘であったルイズ(引き取られて留意子と改名)の成長を辿りながら始まる。
国家転覆を企てるアナーキストの申し子というレッテルを貼られ、 隠れるようにして 生きて行く姉妹たち。
幼い留意子の心には「強く生きたい」という自我が芽生え始める。
そんな折、
修学旅行で東京に行った際に母の伊藤野枝が前夫との間に産んだ息子、辻まことと義父兄妹として初めて会うのだった。洗練された都会の青年である兄。
留意子は 生まれて初めて男性と心を許して会話をし、兄妹として文通をする約束をするのだった。
一方、アナーキストを殺害した罪で服役していた甘粕は出所後、なんと満洲映画協会の理事長に就任する。
それだけではない、満洲の夜は甘粕が支配するとさえ言われ、巨大な権力を得て行くのである。
折しも軍人と結婚し満洲へ渡った留意子は、 夫の留守に奉天の甘粕家に女中として潜入するのだった。
そこで見た本物の甘粕は、憎い親の仇として想像してきた人間とはあまりにもかけ離れていた。
しかも甘粕本人から手渡された大杉栄全集には、亡き父が母に送った恋文が記載されていた。
それを読んだ彼女の心は大きく揺れる。
留意子の中で幼いころから刻み続けてきた復讐の時計が、現実の時を刻み始める。
2016年「ひとり、独りの遊戯」に続く、わかぎゑふの描く満洲三部作の第二弾!
【出演】
コング桑田
野田晋市
うえだひろし
桂憲一(花組芝居)
八代進一(花組芝居)
鈴木健介
浅野彰一(あさの@しょーいち堂)
大井靖彦(花組芝居)
小椋あずき
植本潤(花組芝居)※東京公演のみ出演
長橋遼也
畝岡歩未
村上陸
山像かおり(文学座)
わかぎゑふ
【スタッフ】
舞台美術=池田ともゆき
音楽=坂本朗
舞台監督=山本真一郎
照明プラン=高山晴彦
照明オペ=久米美緒
音響=宮崎孝之(エッグシェルスタジオ)
大道具=浦野正之(アーティスティックポイント)
衣裳=妹妹 小道具=上田商会
宣伝美術=東學(188)
宣伝写真=山田徳春(500G.inc)
制 作=中村祐子(玉造小劇店)
制作協力=岡本康子(Trash2)・島尾朋子・TBSサービス
公演共催=TBSラジオ
【劇中歌】 ダイナマイトしゃかりきサ~カス