玉造小劇店はお芝居を提供するお店です。
4月。
「おもてなし」再演の札幌公演を無事に終え、
ほっと一息ついているリリパットアーミーⅡ。
5月に東京、東海、大阪公演を控えた今、わかぎゑふに直撃!
札幌公演の振り返りと、裏話について聞いてみた!
レポーターは劇団在籍13年のうえだひろしが務めます!
場所:JR寺田町駅近くのお好み焼き屋さん
ひろし(以下、「ひ」) 札幌公演お疲れ様でした。
わかぎゑふ(以下、「F」) お疲れ様でした。ありがとうございました!
ひ: 早速ですが、いかがでしたか札幌公演は?
F: 美味しかったねぇ。そんな場合ではなかったのに美味しかったねぇ。
もう少し後の季節になると、とうもろこしも美味しかったのに・・・。
私、世界で一番好きな穀物はとうもろこしと言っても過言ではないからねぇ。
ひ: あぁ、バーボン好きやしねぇ。
F: やばいねぇ。
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Q.札幌公演について。
F: 今年の2月に‟(※1)えんかん”さんの交流会があって、
(※2)チャコット(みやなおこさん)と一緒に行ってきたんだけど、そこで100人以上の方々の前で大阪弁の成り立ちとか、船場の話とかを喋ってきたんですよ。
そしたら観終わったお客さんから(※3)「しぶちん」を読んで勉強しときましたとか(※4)「船場狂い」が面白くてとか、(※5)「花のれん」(※6)「ぼんち」を買いましたって、こっちのことを知ろうとしてくれはる歓迎ムードがあって、非常にやりやすかった。
やっぱり札幌に演劇を持っていくのは大変で。それでもえんかんさんの呼んでくれようとする行動力が凄いのよ。
その上、役者たちに交流会を用意してくれたり、たくさんのまかないを作って待っててくれたり、呼びたい気持ちが伝わってくるし、ほんまにありがたいねぇ。
まぁそうしないと札幌の人たちが、そういう色んな芝居を観られないというのも事実なんやろうけど。
今回の再演が決まったのも、‟えんかん”の鶴間さんが初演を見に来てくれて、「ふっこさん!この作品再演しないの?絶対えんかんのお客さんにぴったりだから!」と言ってくれたことがきっかけやし、2年も前から動いてくれたおかげで、実現に繋がって。
再演の時期もいろいろ考えたけど、この際、北から西へ西へ進んでいくのもいいなと思って。えんかんさんの話が無かったら今回の再演はなかったかもしれないから、すごくありがたいし、感謝してます。
ひ :‟えんかん”様、本当にありがとうございます!!!
F :ただ大阪弁がわかるんだろうか?とかね、ニュアンスがわかるやろうか?という心配はあったけど、 大阪弁はわからんけどニュアンスはわかったとか、内容は全部わかったという感想ももらって。 お客さんの中にも私らよりもひとつ上の世代の方々もいたし、もったいないとか、物を大切にするということを教わっている方々がたくさんいらっしゃって、始末の身綺麗さについてすっごい共感してもらえたんやなぁと思う。
ひ: 初演の時は大阪と東京の二都市だけやったじゃないですか。 だから今回札幌で、前と違うポイントで笑ってもらったり、普通に喋ってることに凄く反応していただいて 「あ、このセリフ面白いんや!」っていう新しい発見がありましたね。
F 確かに。前回は稽古場引っ越しがあったり、短い期間で作らないといけない制約があったから、結構粗彫りのまんま、本番で仕上げていったみたいなとこあったけど、今回はせっかく再演できるから、なるべくその人らしい配役とかも考えた。そういう意味では細かいとこや、細工をしそびれたとこは再演でカバーしてると思う。
ひ: そうですね、それは役者たちにも感じられるところがあって、 せっかくもう一回出来るんやから、丁寧に作ろうみたいな。
F: 深掘り出来たと思う。浅彫りやったとこも綺麗に磨こうみたいなとこがあったし、皆にも前よりも多くの事を言えたし、より完成品に近いのは今回かもしれんなぁ(笑) 例えば小劇場でやってたら(※7)江口さんの演じてる、(※8)篠山は40代や50代の人がそれらしくやるわけじゃない。でも68歳の江口さんが、どんなにセリフ忘れても(笑)ひと言喋ってくれることの凄さやったり、(※9)千尋みたいな若い子がどんなに粗削りでも出てきたら、やっぱりリアルやからね。
ひ: 確かにそこはリアルでしたねぇ。
F: 年齢幅が広がったことによって、もっとコクも出たもんになった感じはあるよね。
ひ: なるほどなるほど。
F: いつもやったら、「上手い芝居しぃや。」っていうけど、今回は純粋に居る人にコクがあるから、そこは助けられてるし、それを仕組んだしね。
ひ: 見事に仕組まれましたね(笑)そもそも今回再演するにあたって、初演と全く同じメンバーやったら、今回の様にはなってなかったかもしれませんね?
F: そうやね。
ひ: 言うて、結構メンバー変わってますもんね。
F: 私はキャストが一人でも変わったら、芝居は同じものにはならないと思うので、変わることに恐怖感はなかったんやけど。もちろんチャコは変えないけど、(※10)未佳も辞めたし、(※11)野田は(※12)沢田さんとこで頑張ってるし、じゃあ、それ以外の役者も新しい「おもてなし」ではどの役にはまるかはわからないって思ってた。 一瞬、ひろしと(※13)まんちゃんの配役を変えようという話もあったけど、やっぱりどっちの芝居も前の芝居から、さらに深くして欲しいなぁと思ったから変えんかったけど。 まんちゃんがきーぼんをやったら、可愛くなってしまって、頭が良さそうにはならないし。 ひろしが清をやったら、ちょっと意地悪な次男坊みたいになる(笑) コイツ、ほんまは跡取り狙ってたんちゃうか?みたいに見えるやん(笑) もちろん前回のまま役を踏襲してもらいたい人もいたけど、例えば(※14)浅野の(※15)‟しぶ万”とか。 あと今回はチャコの恋人役になり得る意味で、100%大阪人じゃない方が良いなと思って、初演は(※16)有馬君が泣く泣くやってくれたけどね(笑) 短い稽古期間でもちゃんと理解してやってくれる(※17)八代に頼んだ。
ひ: うん、今回ね、なんかね、セクシーやな。って思いましたね。
F: うん、今回ねぇ!
ひ: 何回も共演してるのに(笑) 最初はね、やっぱり前回の有馬さんの印象が強く残ってたんです。 明るいけど真面目な硬い男性というか、全く大阪人ではない感じの、さっぱりして尾を引かない様な役作りをしてたんやと僕は思うんです。
F: 有馬君自体がそんな人やから(笑)初演の時は年齢の兼ね合いもあって、有馬君が(※18)藤原をやってくれたけど、もし再演でも有馬君が出てくれるなら、ぜひ※19島村屋をやって欲しかった。 遊ぶし、飲むし、せやけど、いざっちゅう時には、わしがやったろみたいな。
ひ: あぁ、ええなぁ!
F: ほんまは初演の時にも有馬君が島村屋でもええけどなと思ったんやけど、するとチャコットの相手役が(※20)健ちゃんになっちゃうから。それはないなと。
ひ: うん、それはないな(笑)
F: 初演の有馬君には優しさが出ててええ男やってんけど、それがちょっとお父さんとか、兄貴みたいにも見えた。
ひ: まぁ、お二人は昔からお知り合いやっていうのもあるでしょうね。
F: それはあるやろなぁ。でもまぁ、役者は薄い仮面を被って、色んな者に化けるけど、やっぱり本質は絶対出るから。そこは怖いと思う。
ひ: それは隠せないですもんね。
F: 優しい人は、やっぱりどっか優しいところが出るし、気ぃ強い人は、どっか気ぃ強く見えるし、 女好きの人は、どっか女好きなとこが出る。それは隠せない。そういう意味では主演のみやなおこは、お兼とは180度違う人やのに、ようやってるなぁ。と思う。
ひ: そうですねぇ(笑)
F: いけてる日ぃはほんまにいけてるからな。いけてない日ぃはほんまに殺したろかと思う。
(爆笑)
ひ: 実際の稽古場では皆がチャコ姉をもてなしてましたね(笑) それでチャコ姉がハマれば、僕らは嬉しいし気持ちいいし。
F: チャコットだけが「もてなしてぇ、私のこと~!」っていう感じやったな。 女優はやっぱり魔物やからなぁ。
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Q.「おもてなし」という作品について。
ひ: なぜ「おもてなし」という作品を思いついたんでしょう?
F: 思いついたのはあれやん、滝川クリステルさんが「お・も・て・な・し」って言うた瞬間に・・・
ひ: 「お」ついてるやん!ってなったんすか?
F: ううん、間違ってるやん!って思って。 いやいや、おもてなしってそんなんちゃうやん?っていう単純な疑問。 あの人が、人をもてなす国、優しい人間性、なんやかんや言うて、それが日本のええとこやから是非来てくださいとか言うてるから、「アホちゃう?」と思って。 根源が違う、おもてなしって過剰サービスとちゃうでぇ?なんか日本全体がコンビニみたいな話になってない?おもてなしって相手に気が付かれたらあかんねん!誰も気ぃつかんと、誰も何の損せんと、せやけど仕合わせにやれるってのがおもてなしで、相手がありがとうって気持ちになったら、おもてなしじゃないねん!って言うのが最初。 そこから「お」がついてたからラックでやろかみたいな。そんな流れ(笑) お芝居って基本おもてなしやん? 何にも遜色がないように、例えばテーブルにコップを必然的に置いて、必然的に片付けられるから、誰も何にも気ぃつかへん。でもこれがちょっとテーブルの角にあるだけで、お客さんはハラハラしてストレスがかかるわけじゃない?それを気ぃつかんようにするのがおもてなしやん。 でも、滝川クリステルさんが言うたのは、「すごくサービスがちゃんとした国なので、どうぞ来てください!」ってことを言うてるわけでしょ? かつてGHQが戦勝国として日本を占領しようとした時に、自分たちは恨まれているだろうと思って来たにも関わらず、当たり前のようにおしぼりが出てきたりお水が出てきたりして、しかも、「ありがとう」 を求めない。「どういたしまして」 と言わさない。なんていう国だ!すごい国だ!といって日本に惚れ込んだ人がたくさんいた国やのに。もう今は、外国人が「日本人はサービスがいいねぇ、サンクス!」みたいなことになってて。そんなんおもてなしちゃう!!
ひ: つまり、チラシにも載ってあるように「おもてなし」ってなんやねん?っていうところですよね?
F: うん。皆、おもてなしって何かわかってんの?みたいな。台本にもあるように、誰も気が付かんと、誰も損せんと、それでも幸せにやれるってことが、最高のおもてなしっていうつもりで書いた感じ。
ひ: せやから本来「おもてなしです!」と言うてやるもんではないということですね?
F: 全くない。本来おもてなしというものは、表に出ないものでしょ?
ひ: 表に出ない?表、無し?やから?あ、字ぃがちゃうわ。
F: 後で何か気持ち良かったなっていうのがおもてなしやん。お兼が「お余りです。」って言うて新しいお茶出すシーンの時も、別に「これ、新しいお茶じゃ?」って普通聞く必要もないやん?けど、東京の人やし、律儀に聞いたら「いいえ、さっきのんだす。」ってサラッと言われる。せやから東京の人が「こういうところが船場の人間は深読みが出来ない。」みたいになるわけでしょ?それがおもてなしやと思うねん。
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Q.吉崎兼という登場人物について。
ひ: おもてなしの主人公である吉崎兼という女性にはモデルとかはいるんですか?
F: いない。
ひ: 脚本書きながら生まれた人ってことですか?
F: うん。いつもはひと月とかひと月半の間に、ダラダラ調べなおしたりして書くっていう時間をとってるんやけど、あの時は稽古場の引っ越しとか松竹座のこととかがあって、さぁ今日から書きますよっていう日から、稽古始まるまでたった2週間くらいしかなくて、もう自分のテリトリーしか頼れるものはないと思ったのね。 もともと船場の話書こうとは思ってたけど、二週間で調べものしないで私が書けるものなら、もう女が主人公しかない。と思って。その時点では、誰が主演とかは決まってなかったけど、ひとりの女に男がみんな頼るみたいな話にするしか、こらもう無理やなと思って、例えばもっと調べなおしたとしたら、島村屋の旦那が主人公で、船場を色々と支配して、その中に采配の利く女が出てくるとかいう話になったかもしれんし・・・船場の話やけど、船場よりちょっと外におって船場のことよう知ってる人にするしかないなっていう。そんなんが最初やった。
ひ: まぁ、でも男を主役にして書いてしもたら、どうしても「ぼんち」みたいになってしまいますもんね?
F: 多少ね、だからまぁそれも嫌やしなぁって。あとは‟しぶ万”を絶対出そうと思ってたから。
ひ :「しぶちん」のね。
F: うん、浅野が山崎先生の書いている“しぶ万”と形容がそっくりやし、山崎先生が亡くなった年やったから、(※21)山崎豊子に多少リスペクトっていう気持ちもあって。もし主人公がしぶ万と対峙するねやったら、男じゃ面白くないなぁっていうのもあった。
ひ: で、そのしぶ万なんですけど、なんて悲しい人なんや!って思って。
F: 悲しいねん!いや、「おもてなし」の中のしぶ万ってほんまに可哀想やねん。 身分の差で認めてもらわれへんのに、一生懸命やって、せやのに笑い飛ばされて。
ひ: いつまでも平民なわけじゃないですか・・・船場の旦那衆はみんな貴族なわけで・・・。
F: そうそうそう。でも、小説では最後に貯め込んだお金を大阪商工会議所にポンッて、誰も出来へん様な寄付をして、「えぇ!山田屋が!?」って言われても「それがどないしたんでおます。」って言うて、しぶ万は今日も始末しながらご飯食べているみたいなとこもあるし。 しぶ万があんまりケチやから奥さんと子供はたまに息抜きに近所の料理屋にご飯食べに行ってたんやけど、バレるわけ。それで奥さんが亡くなったときやと思うけど、その奥さんの葬式も始末したっていうくらいで、「あの女、俺がこんなにやってんのにぃぃ!」って言うて、結果子供にも逃げられるとか。 そこまで意地を通し切る人間やねん。生涯で見たらしぶ万にはそういうとこあんねんけどね。
ひ: もう、ほんまにね、スピンオフで書いてあげて欲しいぐらい。
(爆笑)
F: しぶ万にもええとこありまんねんみたいな。
ひ: そうそうそう!「おもてなし」のスピンオフで。なんかそういうのも演劇であってもおもろいかなと思う。この作品がもっと定着したら!
F: 定着したらなぁ。しぶ万物語みたいな。 でも、それでも、船場で店が出せた人なんよね。そやから変な話やけど、この物語は船場の旦那ばっかり出てくるし、「なんや、しぶ万か。」とか言われてるけど、やっぱり船場以外の所の人から見たら、「あぁ、山田屋の旦那さん!」って言われてる人で。そりゃ、船場の貴族の中では新興やけど、‟船場”のお方やからね。
ひ: まぁ、そうですね。船場に店があるというだけで、
F: 貴族の一員やん。例えそれが何百年続いてるとか続いてないとかじゃなくて、船場で認めてもらえるほどの才覚やもんね。そこは全然違いますよ。
ひ: その辺のバックボーンと言うか、そういう世界の背景をもっと知ってもらえてたら、もっともっと楽しめる作品ですよね。
F: ま、ただね。それは難しいよね。
ひ: だってもう船場自体が無いですからね。
F: 無いし、それを説明しようとすると芝居が二本立てにならなあかん。 三時間半くらいかかる。お兼としぶ万が若い頃に(※22)岩井商店で会うて、みたいなシーンがいるし、美術がえらいことになる。まず岩井商店から出さなあかん(笑)
ひ: ほな(※23)盆舞台が必要ですね。
F: 必要必要。せやけど、最初の1時間半はおもろないから。
ひ: それは嫌や(笑)
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Q.最後にひと言。
ひ: いやぁ、面白い話がたくさん聞けました。
F: ありがとうございました。
ひ: ということで、最後に、今から東京、東海、大阪とありますけれど、何かメッセージがあれば。
F: そうですね。札幌が思ってた以上にまとまり良く、みんな流石にプロだなっていう仕事をしていただいて、お客さんもまさかこんなに受けるとはというくらい受けたので、ほんとに演出家としては「足すくわれんといておくれやす。」って思う心配(笑) あと、札幌の人たちもニュアンスわかってくれたんやから、何よりも怖がらんと大阪弁喋りまくって欲しいなと。札幌ははっきり言うて私にしてみたら、ちょっとゆっくりそろっと走ったみたいなとこがある。車でバックミラーみながら、大丈夫ですか?って言いながら走ってるみたいなところがちょっとあって、あと5分は縮まるのにおかしいなとは、多少思ってた。 東京のお芝居見慣れてるお客さんとか、東海なんてもうはっきり言うて関西弁圏内と言ってもおかしくないから、怖がらんと連れていくという気持ちよりは、先走ってまっせ!っていう気持ちに多少シフトして欲しいなと思ってる。
ひ: えっと・・・それは我々ですね(笑)
F: そうです!!お客さんがついてくると信じてる芝居して欲しいなぁ。
ひ: なるほど!・・・難しいなぁ!
(爆笑)
ひ: いや、ほんまにええ作品やと思うんで。
F: ええ作品かどうかは私が一番わかってないけどな。いいですかぁ?こんなケチ臭い、(※24)二号さんの話で。って感じやけど。
ひ: なんかふっこさんて、こんな話でいいですか?っていう作品書くの好きですよねぇ?
F: うん、好き(笑)
ひ: (※25)生理用品の話だったりとか。
F: みんな書いてないですけど、大丈夫ですか?いいですか?私書きますよ?みたいな。
ひ: まぁねぇ、この作品もあとは我々次第ということで!
F: そうね、本番はトライアルレースじゃないから、自分が自信をもって先走っていくような芝居をして頂きたいわ⤴︎
ひ: と、言うことだそうです、座組のみなさん!
F: 頑張ってくださーい!って読んでるんかいな!
ひ: そりゃ読んでるでしょう。と、いうことでお開きにしたいと思います。 ありがとうございました!
F: ありがとうございました!
さてさて、たくさんの裏話が聞けました!
相手に気が付かれては、おもてなしではない。深いですねぇ。
主人公である兼が、どんなおもてなしをするのか?
どんな始末で船場を強く生きていくのか?
是非、皆様の目で確認していただきたいと思います。
「おもてなし」どんどん観たい気持ちが高まってきませんか?
僕は断言します!
この作品はわかぎゑふが描く作品たちの中でも、BEST3に入る作品です!
我々もさらに気を引き締めて東京、東海、大阪公演と臨みたいと思います。
ご来場心よりお待ち申し上げております。
チケットは下記リンクよりお受けしております!
東京公演 https://www.quartet-online.net/ticket/tama-tokyo
東海公演 https://www.tokai-arts.jp/performance/sponsor/perform/2585/
大阪公演 https://www.quartet-online.net/ticket/tama-osaka
※1 えんかん・・・NPO法人札幌えんかんの事で、月々の会費だけで 年6本以上のお芝居を楽しめる会員制の団体。 観劇会作品選びや観劇会の準備、当日の会場運営など 会の運営すべてを会員の手で行い、 演劇に興味のある方なら、いつでも誰でも入会いただける団体です。
※2 チャコット・・・「おもてなし」の主演みやなおこさんのあだ名であり、劇団そとばこまち入団当時、日本のバレエ用品企業である❝チャコット❞の紙袋に印刷されていた少女にそっくりであったことから、そう呼ばれるようになった。
※3 しぶちん・・・作=山崎豊子 しぶちんとは大阪弁でケチン坊のことだが、ケチが陰にこもらない開放的な言い方である。19歳で伊勢の沢庵売りから大阪の材木問屋に奉公して財をなした山田万治郎は、‟しぶまん”と呼ばれながらも、昭和初年に、商工会議所の議員に推薦される。大阪商人の金銭への執念を捉えた表題作。
※4 船場狂い・・・作=山崎豊子 伝統と格式の商家がひしめく大阪・船場。久女は幼い頃から船場の富商にあこがれ、その一員になるため異常な執念を燃やして生きてきた。娘の結婚を契機にようやく船場商人へとのし上がるが、時はすでに戦後。時代は船場の町を大きく変容させていた。船場を舞台にした山崎豊子の名短編。(新潮文庫『しぶちん』に収載)
※5 花のれん・・・作=山崎豊子 大阪の街中へわての花のれんを幾つも幾つも仕掛けたいのや――細腕一本でみごとな寄席を作りあげた浪花女のど根性の生涯を描く。
※6 ぼんち・・・作=山崎豊子 放蕩を重ねても、帳尻の合った遊び方をするのが大阪の“ぼんち”。古い暖簾を誇る足袋問屋の一人息子喜久治は「ぼんぼんになったらあかん、ぼんちになりや。男に騙されても女に騙されてはあかん」という死際の父の言葉を金科玉条として生きようと決意する。喜久治の人生修業を中心に、彼を巡る五人の女達、船場商家の厳しい家族制度、特殊な風習を執拗なまでの情熱をこめて描く長編。
※7 江口さん・・・新生松竹新喜劇所属の江口直彌さん。通称:えぐじぃ。
※8 篠山・・・「おもてなし」の登場人物、篠山半兵衛。山城屋の旦那。
※9 千尋・・・劇団研究生の松井千尋。シンクロナイズドスイミングをやっていた。
※10 未佳・・・元劇団員の谷川未佳。うえだひろしの同期劇団員。
※11 野田・・・劇団員の野田晋市。かつては王子と呼ばれていた。現在は沢田研二さん主演の「大悪名」の稽古に参加しているため、「おもてなし」には出演していない。沢田研二さんの事を「研ちゃん」と呼ぶ。
※12 沢田さん・・・言わずと知れた、沢田研二さん。通称ジュリー。野田晋市をよろしくお願いいたします。
※13 まんちゃん・・・江戸川萬時さん。吉崎兼の一人息子、清で出演中。うえだひろしとは兄弟のようである。
※14 浅野・・・あさの@しょーいち堂主宰、浅野彰一さん。通称:あさの先生。しぶ万を好演!レギュラー客演のひとり!
※15 しぶ万・・・山崎豊子先生原作「しぶちん」の登場人物であるが、わかぎがこの人物に惚れ込んだため、本作品にも登場させた。材木問屋の岩井商店に奉公に務めていたなどの設定も生かされ、そこでお兼とは出会っている設定。
※16 有馬・・・劇団扉座所属の有馬自由さん。通称:自由兄さん。本人はバリバリの関西人なのに初演時は東京人の役だった。渋いガラガラハスキーボイスなのに、もの凄く声が通る。
※17 八代・・・花組芝居所属の八代進一さん。通称:やしろにぃ。劇団内ユニットとして四獣(スーショウ)としても活動。劇団のレギュラー客演のひとりである。料理がめちゃくちゃ上手い!
※18 藤原・・・「おもてなし」の登場人物、藤原京太郎。唯一の東京人。関東大震災を逃れ大阪にやって来る。本編では徐々にお兼という人に惹かれていくのだが・・・。
※19 島村屋・・・「おもてなし」の登場人物、島村雄之助。堺筋で呉服屋と布団屋を経営。所謂、船場の大旦那である。わかぎ作品の「お祝い」に登場する雄さん(島村雄平)は息子という設定。
※20 健ちゃん・・・鈴木健介さん。通称:ケン兄。劇団レギュラー客演のひとりであり、根っからのムードメーカーである。皆にあほあほといじられるが。その昔は番長だった。様々な武勇伝があるが、それを感じさせない気さくな人柄。
※21 山崎豊子・・・日本の小説家。数々の受賞歴。代表作のほとんどが、映画化、ドラマ化されている。2013年に死去。生前はわかぎとも交流があった。その為わかぎは山崎先生への敬愛の意を込め、本作に❝しぶ万❞を登場させている。
※22 岩井商店・・・船場の材木問屋。旦那はとうに亡くなっており、跡取りの若旦那岩井喜一、通称きーぼんは眼病を患っているため、お家にとっては心配の種。その大旦那の妾が兼であり、早くに亡くした妻に代わって喜一の乳母でもあった。若い頃は岩井商店の女衆でその後見初められ、乳母に出世。その頃しぶ万とも出会っている。本編に登場する舞台美術は岩井が兼の為に建てた家であり、質素に見えるが材木問屋の腕利きで、実際は豪華な造りとなっている。
※23 盆舞台・・・「盆」とは、劇場の床を円形に切り抜き、 その丸い部分がくるくる回る舞台のこと。 廻り舞台・回り舞台・回転舞台などとも言い、 「盆」というのは、本来この回る部分のことを指し、 大きな劇場ではこの盆の上を三分割し、 舞台転換をスムーズにしたりします。 つまり、客席に面した部分でお芝居が進行している間に、 盆の裏側で、次の場のセットを組み立てたりしているのです。
※24 二号さん・・・二号とは妾(めかけ)の俗称である。 本妻を一号として、妾を二号といったもので、『二号さん』『二号夫人』ともいう。 妾とは「目を掛ける」からきている通り、本妻以外に目を掛けて養っている女性のことで、単なる愛人や浮気相手とは異なる。
※25 生理用品・・・わかぎゑふ作「お祝い」から。昭和初期、妹に初潮が来た!店の皆は大慌て。今日は「お祝い」や!と浮かれているところに訃報。その妹がからかわれて、飛び出した道路で車にひかれて死んでしまった。妹の無念を晴らすため、船場のぼんぼんであった岡崎陽介は店を畳み、生理用品の開発に人生を捧げるのである。この作品でわかぎゑふは2001年度大阪舞台芸術奨励賞を受賞している。